もりもりです。
オジギソウは、別名「眠り草(ネムリグサ)」ともいわれています。
その名の通り、葉の部分に何かが触れたりすると、すばやく葉を閉じてまるで「おじぎ」をしているように見えます。
その動きを見ているととすっごくかわいいですよね。
そして約5~20分くらいすると、もとの状態に戻ります。
オジギソウは、ブラジルを原産地とするマメ科の植物で茎にはトゲがあり、だいたい6−8月頃、淡紅色のかわいらしい花をつけます。
このオジギソウの動きには、多くの人たちが興味を抱いていて、あのダーウィンも自身の出版した『植物の運動力』という本でオジギソウについて触れているほどです。
たしかにあの動きは不思議ですよね。
・なぜ、オジギソウはおじぎをするのでしょうか?
・オジギソウのように動く植物は?
についてお話ししますね。
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なぜ、オジギソウはおじぎをするのでしょうか?
水の移動によって葉が運動するから
動物と食物の大きな違いは、筋肉運動があるかどうかです。
動物には筋肉があるので筋肉運動によって体を動かすことができます。
しかし植物には筋肉がないので、動物のような筋肉運動はしません。
なのに、オジギソウはまるで筋肉運動があるように葉に、おじぎをするような格好で歯が閉じて垂れます。
これは、オジギソウは水分の濃度によって葉を動かしているのです。
※枕の元にある葉枕(ようちん)には水が含まれている。葉にふれると電気信号が伝わり、水が葉枕の下の部分から上の部分に移動する。すると葉枕の下側の圧力が下がり、折れ曲がっておじぎをする。
オジギソウの葉が閉じるところをよく見てみると、「小さい葉」、その小さい葉の集まった「4枚の副葉」、「全体」の三段階で働いているのがわかります。
それぞれの付け根の部分は小さなふくらみとなっています。
このふくらみのことを「葉枕(ようちん)」*1 といいます。
電気信号が葉枕に伝えられることで運動が起こる
オジギソウの葉に触れると、電気信号が生じます。
この電気信号が葉枕に伝えられることで葉が閉じるという運動が起こるのです。
葉枕には水がたっぷりと蓄えられていて、電気信号が伝わると、葉枕の下の部分から上の部分に水が移動します。
水が移動すると、葉枕の下の部分の圧力が下がり、折れ曲がっておじぎをするというしくみなのです。
葉枕の細胞の骨格となっている「アクチン」というタンパク質は、ふだんは網の目状になっていてしっかりしており、水分が出ていくのを防いでいます。
しかし、電気信号が伝わると、アクチンの束がほぐれバラバラになってしまう。
すると保水効果がなくなって水が移動するのだという。
オジギソウの葉は、触れたときだけでなく、温度変化によっても閉じるし、夜間にも閉じる。
食虫植物も運動する植物の仲間
オジギソウについては、進化論で有名なチャールズ・ダーヴィンの「植物の運動力」にも記述があるそうです。
オジギソウはもともとは熱帯の植物で、スコールのような激しい雨に当たるのを防ぐために葉を閉じるようになったという説。
葉を閉じると、もう食べる箇所がないと動物に錯覚させるためという説もあります。
オジギソウのように動く植物として、食虫植物のハエジゴク、ムジナモなどがあります。
ハエジゴクは、二枚貝のように開いた葉のなかに虫が入ると、口を閉じて虫をとらえる植物です。
ムジナモは水草で、ハエジゴクのように二枚貝のような葉があって、主に動物性プランクトンをとらえて栄養にしています。
夜になると眠るオジギソウ
オジギソウは、別名「眠り草」というように、夜暗くなると葉を閉じて枝を垂らし眠るのです。
まるで私たちの1日の生活パターンに似ていますよね。
これは、昼夜など明るさ・暗さの刺激に反応して葉っぱを開閉するのです、これを就眠運動といいます。
まとめ
おじぎをするように葉を閉じるオジギソウ。
見ているとかわいくて育ててみたくなりませんか。
今日も読んでくれてありがとうございました。
*1:葉柄の基部や各小葉の基部にある膨らみをいう。