もりもりです。
相撲といえば、日本の国技ですよね。
外国人力士の活躍もあり、海外でもすごく人気があるそうです。
相撲の土俵は、すごく神聖な場所で女人禁制までされています。
そんな神聖な土俵(どひょう)は、俵に土を詰めた袋(土俵)を使っているため、
土俵場(どひょうば)と呼ばれていました。
これが縮められて土俵になったそうです。
そんな神聖な土俵はどうやって作られているのかを調べてみました。
土俵作りの手順を細かく解説します
両国国技館の土俵作りの手順を(大相撲まるごと雑学辞典)から抜粋させていただきました。
土俵は4日間に分けて作られます。
1日目(古い土俵を崩し、土台固めをする)
①土俵の表面と上がり段のある斜面(土端とよぶ)の土を上から20センチほど削り取って運び出す。
②古い俵を掘り起こして取り除く。
③むき出しになった古い土の台をかきならし、平均に水をまく。
※新しく入れる土と古い土がなじむようにするため。
④新しい土を張り付けてから高さを決める作業にとりかかる。
土俵周囲の枡席(ますせき)に目印があるので、それを縄で結ぶと高さと大きさが決まります。
張った縄に合わせて土俵表を平らにします。
搔(か)き*1で土を削ってかきならし、大きな「たこ」で荒づきし、その後小さな「たこ」でついて凹凸を直します。
※土俵は昔から、千本搗(せんぼんづき)といって、細かくていねいに何回もつく方が良いそうです。
次は「たたき」を使って土俵をたたいて固めます。
一方では俵作りが行われています。
俵に土と砂を混ぜたのを、アンコにして細わら縄で一俵当たり七か所結ぶ。
その際、小棒で隅を突き、またビール瓶でトントンたたいて、アンコが隅々まで平均になるようにしながら、一定の太さに結び上げるのはコツがいるります。
なにしろ、66俵*2も作るので、数人が専門に当たる。
2日目(土俵をつき固める)
表面を平らにすることと、適度の硬さにつき固めることが、土俵作りの大事なポイントです。
力士は土俵の硬さを非常に気にします。
軟らかいと、足の指が土の中にのめり込んで、ねんざや骨折などのケガを起こしやすいからです。
⑤土俵上を足で踏みならす。
⑥大きい「たたき」で荒だたきしたあと、小さな「たたき」で目をつぶして仕上げる。
⑦大きな「つき棒」で土俵の形を整える。
⑧平均に水をまく。
⑨土俵の中心部・対角線に縄を張り、その接点を求めて土俵の中心とする。
直径が15尺(4.55メートル)となるように「ひも」と五寸釘で円を描く。
⑩「くわ」を使って俵をいける穴を掘る。
直径15尺は内径なので、俵の幅だけ外側に溝を掘ることになる
この時、俵と同じ幅の「くわ」が役に立ちます。
⑪円周に沿って16俵の勝負俵をいける
土俵規定によると、俵は六分を地中に四分を地上に出すことになっている。
この四分は、高さにすると約5センチとなる。
東西南北(四方)の真ん中の俵を、それぞれ1俵ずつ俵の幅だけ外側にずらしてある。
そこは土俵が広くなり、力士がトクをするので「徳俵」といいいます。
徳俵は、高さも心持ち高くしてあります。
※呼び出しさんのここでのポイントは、俵の縄の結び目を下にしていける。
ビール瓶でたたいて俵の形を整える。
俵の高さは、必ず一定にする。
小さな「つき棒」を使って俵を固定する。
3日目(俵いけと仕切り線)
⑫土俵の四方に一辺七俵ずつ角俵をいけ、その四すみには方向と角度をよく見て上げ俵をいける。
この上げ俵は、力士がよく足の裏をこするところ。
⑬俵の位置の確認と整備。
勝負俵・徳俵・角俵・上げ俵の順に土俵上の俵をいけ終わったあと、全体のバランスがとれているか、俵の位置をよく確かめる。
⑭俵の内側と外側の土が同じ高さになっていることもチェックポイント。
ここでもビール瓶が活躍する。
瓶で叩いてわずかなデコボコを直したり、土にツヤを出したりする。
⑮土俵を作る。
土俵の斜面を切り込んで踏み俵をいける。
正面に1俵、向正面・東・西に3俵ずつ角俵と平行に並べていける。
力士の上り下りで崩れないよう、とくに配慮が必要。
⑯水桶俵をいける。
これは、東方は赤房下、西方は白房下に力水をつけるための水桶を置くところ。
斜面に切り込みを作り、水桶俵を2個並べていける。
俵の上に置いた水桶は、土俵に食い込んでいるように見える。
力士が落ちてくると呼び出しさんが素早く持って逃げているが、この水桶、けっこう重いものである。
⑰水吐きを作る。
力士が口をすすいだ力水は、どこへいくのか知っていますか?
斜面に直径30センチくらいの穴をあけ、そこから排水溝を通して直接下水に流し込む。
地方場所では、タンクを埋め込み、たまった水をビニールパイプで吸い上げてすてていくいる。
⑱すっかり仕上がったら、仕切り線を描いてほぼ完成です。
4日目(土俵の飾りつけ)
⑲十九、土俵上の吊り屋根の下に水引幕を張りめぐらす。
⑳そして4色の房の飾りつけをすれば完成です。
【大相撲まるごと雑学事典参考】
相撲が海外で大人気のわけ
現在の大相撲界には外国出身の力士が増えており、しかも大活躍しています。
モンゴルの力士が多いですが、ジョージア、中国、ロシア、エジプト、ブラジルなど
いろんな国の力士がいます。
戦後初めて入門した外国人力士は、1964年初土俵を踏んだ米国籍の高見山関です。
その後ハワイ州から入門した曙関や武蔵丸関は横綱にまで上りつめます。
最近は、モンゴル出身の力士が大活躍し、横綱も多くいます。
現在、外国人力士は幕内だけで全体の3割を超えています。
最後に
外国出身の力士が増えたこともあり、相撲人気もグローバルになり、海外における相撲人口や相撲ファンも確実に広がっているようです。
土俵作りを手順に説明させていただきました。
今日も読んでくれてありがとうございました。
*1:野球のグラウンドをならす「トンボ」のような形状の道具
*2:(Wikipediaより)現代の大相撲では、一辺が6.7メートル(22尺)の正方形に土を盛り、その中央に直径4.55メートル(15尺)の円が勝負俵(計16俵)で作られていて、その円の東西南北4ヶ所に徳俵(計4俵)と呼ばれる、俵1つ分の出っ張りが設けられている。円の外側には正方形の形で角俵(計28俵:各一辺7俵の俵)を配置、その正方形の角には、あげ俵(計4俵:各角にそれぞれ1俵)が配置され、土俵に上がる段のための踏み俵(計10俵:土俵の周りに東・西・南部分に各3俵、北部分に1俵)、南西・南東には力水のための水桶を置く水桶俵(計4俵:各2俵)が配置され、合計して66俵を使用する。