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接着剤がくっつく3つの仕組み!弱い粘着力を利用したヒット作とは?

もりもりです。

接着剤には、日頃からなじみのある事務用液体のり、ふせんなどの弱い粘着力や皮膚につくとなかなかとれない強力な瞬間接着剤など、たくさんの接着剤があります。

 

接着剤には、500種類以上もあるそうです。

 

それらは、いろんなしくみによって、くっつくように作られているんですよね。

 

ではどのようなしくみなのか?

・接着のしくみ

・接着の断面図

・弱い粘着力を利用したヒット作

についてお話ししますね。

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接着のしくみ

それでは、いちばん身近にある、事務用液体のり(ポリビニルアルコール系接着剤)やセメダインⓇ*1(ニトロセルロース接着剤)、木工ボンド(酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤)などがくっつく仕組みをお話ししますね。

 

3つの接着のしくみ

機械的結合・・・

紙や木材などは、どんなに表面がすべすべに見えても、拡大すると、たくさんのくぼみや穴、裂け目があるんです。

 

接着剤は、このようなくぼみに入りこんで接着するんです。

この接着の仕組みを「機械的結合」っていいます。

 

また、イカリ(アンカー)で船をつなぎとめておくしくみとも同じなので、アンカー効果とも呼ばれていますね。

 

化学的結合・・・

化学的結合は、2つの面が接着剤と化学的に結合して接着するしくみです。

 

物理的結合・・・

物理的結合は、接着剤と2つの面の分子どうしが互いに引き付け合う力によって接着するしくみです。

 

通常は、この3つの結合の仕組みのうち、いくつかが組み合わさって接着されることが多いようです。

 

接着にはぬれることが必要

接着剤では貼り付ける前は「ぬれる」ことが必要で、ぬれが飛ぶことによって、あるいはぬれを吸収することによって固定されます。

 

たとえば、瞬間接着剤は「シアノアクリレート」という成分が水分と結びついて固まる仕組みになっています。

 

もともとは手術用に使われていたそうで、接着剤と皮膚はよくくっつくようになっているようです。

 

そのかわり、誤って指などにくっつけたりしたら大変です。

 

もしくっついてしまったら、マニキュアの除光液をつけることです。

 

これは、除光液に含まれている「アセトン」という有機溶剤が、固まったシアノアクリレートの樹脂を溶かしてくれるからです。

 

また、ぬれてくっつく例としてわかりやすいものにガラス板があります。

 2枚のガラス板の間に水をたらしてくっつけるとかんたんには取れませんよね。

 

接着の断面図

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1.機械的結合

接着材の表面にある溝の中に接着剤が入り込み、接着する。

 

2.化学的結合

被着材の分子と接着剤の分子が化学的に結合する。

 

3.物理的結合

被着材の分子と接着剤の分子が、互いに引き付け合って接着する。

 

弱い粘着力を利用したヒット作

接着剤と似ているが、私たちの身の回りでよく使われている物として粘着剤があります。

 

粘着剤は一度接着してからはがせる特徴があります。

 

粘着剤は、粘着テープなどに使われていて、テープにコーティングされていることが多い。

 

粘着の強度はすぐにはがれるものからはがれないものまでいくつもの種類があります。

 

とくに粘着度の弱い粘着剤が使われているのが、ポスト・イットⓇ*2に代表されるふせんです。

 

これはメーカーが粘着剤を開発している途中で偶然弱い粘着力しかない粘着剤ができ、それをふせん紙に使うことを思いついたものなんです。

失敗作がヒット作になったんですね。

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まとめ

 接着剤にはいろんなしくみがあったんですね。

用途も幅広くて、生活にはかかせないものですね。

 

*1:セメダインはセメダイン株式会社の商標です。

*2:ポスト・イットは住友スリーエム株式会社の商品です。