もりもりです。
人体の不思議。
心臓は握りこぶしサイズのポンプ。
全身に血液を送り出し、酸素と栄養分を運ぶポンプの役目を果たしています。
・心臓は体から取り出しても動き続ける?
・肺の働きとデータ
・血液循環のルートは2つある
・緊張すると心臓がドキドキするのは?
・コエンザイムQ10は心疾患の治療に効果はあるのか?
・心臓と肺は隣同士なのになぜ擦れないのか?
・スポーツ選手の心臓はデカい!
・高血圧は圧迫されたホースと同じ
について記事にしました。
(出典元:徹底図解人体のからくり)
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心臓は体から取り出しても動き続ける?
心臓は、全身に血液を送り出し、酸素と栄養分を運ぶという重要なポンプの役目を果たしています。
しかも、心臓は独自の動力源を持っています。
心臓自体がリズムを刻んでいるので、体外に取り出しても、しばらくは動き続けることができるのです。
心臓の動力源の仕組み
心臓のリズムの動力源は、右心房にある洞房結節(どうぼうけっせつ)と呼ばれる筋細胞の集まりです。
洞房結節で電気信号が自発的に発生し、それが心臓全体に伝わって拍動させているのです。
そして、
心臓の壁は、心臓特有の心筋という筋肉でできていて、それぞれの心筋細胞はお互いにつながっていて、歩調を合わせて収縮することができます。
洞房結節で発生した興奮は、刺激を伝える特別な心筋細胞を通って心臓全体に広がり、さらにすべての心筋細胞に伝えられ、協調して心臓を動かしているのです。
心臓のデータ
・心臓の直径=約14㎝(握りこぶしよりもやや大きめ)
・心臓の厚さ=約8㎝
・心臓の重さ=約250~350g
・1分間の心拍数=成人60~75回
・1回の拍動で送り出す血液量=約成人70~80㎖(1分間で約5000㎖)
・女性は男性よりも拍動数が多い。
血液循環のルートは2つある
心臓の収縮によって送り出された血液が心臓に戻るルートは2つあります。
・心臓の左心室から出て全身の器官に酸素と栄養素を届け、代わりに二酸化炭素や老廃物を受け取って再び心臓に戻ってくるルートです。
これを「体循環(大循環)」と呼び、1周にかかる最短時間は約20秒。
・体循環から戻ってきた酸素の少ない血液を、右心室から隣の肺に送り、ガス交換によって酸素の供給を受け、左心房に戻ってくるルートです。
これを「肺循環(小循環)」と呼び、1週がわずか3~4秒という速さ。
緊張すると心臓がドキドキするのは?
階段を駆け上がったり、緊張したりすると、ドクンドクンと脈がテンポを上げて拍動するのを感じますよね。
これは、自律神経やホルモンが大きく関係しているのです。
運動をするときには、酸素を消費した体に酸素を供給しようと、交感神経が働いて心臓をより強く動かし、より多くの血液を体に送り届けます。
そのため心拍数が増え、心臓の収縮も盛んになって心拍出量(1分間に体内を流れる血液の量)も増加します。
さらに拍動も増加します。
緊張やストレスがアドレナリンというホルモンの分泌を増やして、心臓の拍動を増加させることもあります。
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コエンザイムQ10は心疾患の治療に効果はあるのか?
アンチエイジングのサプリメントととして注目されているコエンザイムQ10は、心疾患の治療に使われている医薬品です。
人体は約60兆個の細胞で構成されていますが、その一つ一つの細胞にエネルギーを供給しているのがミトコンドリアです。
コエンザイムQ10は、このミトコンドリアで不足しがちな補酵素でなのです。
生命活動の基本はATP(アデノシンミリン酸)という細胞エネルギーで、ミトコンドリアで作り出されています。
特に心臓や肝臓、腎臓の細胞はミトコンドリアを多く含んでいるため、例えば心臓にコエンザイムQ10は、が不足すると、ATPがつくれなくなって心臓の動きが低下し、動悸や息切れが起きます。
このため、不足分をサプリメントで補うのは有効なのですが、摂りすぎは危険です。
心臓の酸欠が虚血性心疾患
心臓が働くために必要な酸素と栄養は、冠状動脈(かんじょうどうみゃく)*1の血液から送り届けられます。
冠状動脈の動脈硬化が起こると、必要なときに血管が充分に広がりません。
そのため、運動をしたときに一時的に血液が足りない状態(虚血)になり、心臓に痛みを感じるようになるのが狭心症です。
これがさらに悪化し、心筋の一部が血液不足から壊死してしまうのが心筋梗塞です。
この2つを合わせて 虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)と呼びます。
狭心症の症状は、「胸が圧迫される」「胸が締め付けられるように痛む」といったもの。
心臓と肺は隣同士でもなぜ擦れないのか?
心臓は、肺にくっつくように位置しているのに、激しい運動をして心臓や肺が擦れて傷ついたって話しは聞きませんよね。
なぜ大丈夫なのでしょう?
それは、心臓と肺が別々の膜に包まれて守られているからです。
心臓を包む膜(心外膜)は大血管に根元でくっつき、そこから外側に折り返されて心臓全体を包むように袋(心囊(しんのう))を形成しています。
心囊の内側と心外膜の間にできた空間には、少量の液体が満たされているので、それが衝撃を和らげるクッションとなり、運動をしても肺や周囲の臓器と摩擦が起きないようになっているのです。
これは心臓や肺だけではありません。
各臓器もこのようにして守られているのです。
スポーツ選手の心臓はデカい!
高血圧の状態が続くと動脈硬化を促進し、血管の弾力性が失われて抵抗性が増大します。
そのため、心筋の壁が厚くなり、左心室の容量が狭くなるのです。
これが心肥大というものなんですが、ひどくなって適応力の限界を超えると、動悸や息切れ、呼吸困難を起こすなど病的な状態になります。
スポーツ心臓
スポーツ選手の心臓はデカくなっていますが、心筋の壁だけでなく容量も拡張した状態なので、むしろ心筋の収縮力が向上しており、運動時に優れた心機能が認められます。
これをスポーツ心臓といいます。
アスリートは心肺機能も高く、血液循環の効率が良いことを示しています。
スポーツ心臓と病的な心臓肥大は異なるものです。
高血圧は圧迫されたホースと同じ状態
心臓から送り出される血液の圧力のことを血圧という。
普通に血圧というと、心臓の収縮時に血液が押し出されるときの血圧(最高血圧)を指す。
しかし、心臓の拡張時の血圧(最低血圧)も血管の壁の硬さを反映するので重要だ。
日常でも運動した後やストレス、感情の動揺などで血圧は上昇するが、問題なのが生活習慣病としての高血圧。
動脈壁にコレステロールが溜まると、血管が狭くなって血圧が上昇する。
これは、ホースホースの口を圧迫すると水圧が高くなり、水が勢いよく遠くまで飛ぶのと同じ原理。
高血圧の状態が続くと、血管にダメージを与えるだけではなく、心臓にも負担がかかる。
生活習慣病が問題にされるのはこのため。
まとめ
心臓は全身に血液を送り出し、酸素と栄養分を運ぶポンプの役目を果たしています。
そして、心臓は体から取り出しても動き続けるという独自の動力源を持っているんですよね。
今日も読んでくれてありがとうございました。
次に読む記事はこちら⇒血管を若返らせるストレッチを紹介しますね!
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*1:冠をかぶったように心臓を取り巻いている心臓専用の動脈